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読書メモ⑥『AI vs 教科書が読めない子供たち』

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■AIが神になる、AIが読め人類を滅ぼす、シンギュラリティが到来することはない。


■AIとはartificial intelligenceの略。AIとAI技術が混同されて使われている。


■AI化によって、全雇用者の半数が、仕事を失う。


■AI化によってまた新しい仕事が創出されたとしても、AI化によって仕事を奪われた人達が、その新しい仕事をこなせるとは限らない。


■AIについての日米間の大きな違い

・日本は第5世代コンピュータの国家プロジェクト(500億円投資)が失敗に終わったこと。基本的にモノ作りの国であること。

アメリカは日本の失敗に学び、論理的な手法ではなく統計的手法に舵を切り、グーグル翻訳やワトソンなどで成果を上げたこと。またグーグルやフェイスブックなどの企業がAI技術を必要としていること。


■コンピュータは意味を理解しない

Siriに「近くの美味しいイタリア料理の店」と言っても、「近くの不味いイタリア料理の店」と言っても結果は同じ。


■AIに代替されない仕事の共通点は、コミュニケーション能力や理解力が求められる仕事や、介護や畦の草抜きのような柔軟な判断力が求められる肉体労働。


■コミュニケーション能力や理解力の基礎となる読解力は、今の日本人は危機的状況である。


■偶数と奇数を足すと答えはどうなるか。またその理由を答えよ。

という問いに対して、国立大学Sクラスの生徒の正答率は役80%、それ以下の私立Sクラス、国立Aクラスなどの全ての生徒の正答率は40%以下であった。


■基礎的読解力を調査するためのリーディングスキルテスト(RST)を筆者の新井氏が開発した。


■RSTの成績と高校の偏差値はかなり強い相関関係が見られる。


■なにが読解力を決定するのかについての因子はまだ発見されていない。


■AIは意味を理解しないので、意味を理解する能力のある人材がAIに代替されない。


糸井重里さんが実践している「ほぼ日」のような、需要が供給を微妙に上回っていて、同じものが他に存在しないために、ある種の「独占」が起こっている新しい時代のマーケットに可能性があるのではないか。


英語が苦手なので、早く自動翻訳機ができないかなと淡い期待をしていたけれど、ちゃんとコミュニケーションが取れるほどの翻訳機が登場するのは、まだまだ先のことになりそう。。

今のAI技術の原理についても詳しく説明されていて、とても分かりやすかったです。

タイトル以上に、いろんな視点から議論されていて読んで満足感がありました。


筆者の新井さんも気になったので調べてみたら、ほぼ日にも登場されてました。

https://www.1101.com/torobo_talk_arai/


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